余りものには福がある
さて、このホテルが竣工を迎える頃、わが自邸の工事も始まっていた。 「そうだ、あの時の国内在庫が多少あるはずだ」 私は三年の間、毎週...
単行本『建築家が自邸を建てた』(その歓喜と反省の物語) 第6章です。
さて、このホテルが竣工を迎える頃、わが自邸の工事も始まっていた。 「そうだ、あの時の国内在庫が多少あるはずだ」 私は三年の間、毎週...
ミラノ市街から北に車で2時間。世界でも三指に入るらしい巨大なツキ板工場を見学し圧倒された。多少の例外を除き、木目の美しい貴重な木材...
最終的には、折衷案の提案が私に求められた。はて困ったあげく、私は戸澤さんに相談した。 「似たものでホワイトアッシュがあるが、いいも...
そうこうしているうちに、私の本業であるホテルの内装監理の仕事が佳境に入っていた。場所は生まれ故郷に近い愛知県名古屋市。金山駅隣接に...
柏市の練り付け工場の材料倉庫を一巡してみた。巾20センチ、長さ3メートルほどの薄くスライスされた単板が山と積まれている。これを集成...
さて、ご存知のように充分乾燥されていない無垢の木では、割れが入ったり反ったりして内装材としてはすこぶる具合が悪い。そこで、集成材の...
これに加え、決定的に私を木の世界に目覚めさせてくれたのは、現在も我が国の木工の重鎮であるヒノキ工芸の戸澤代表との出会いである。不幸...
海外の話題のリゾートホテルのパンフレットを手にすると、決まってどの写真も全体的にオレンジ系で、暖かい高級感が漂う。その理由を探って...
私の自邸は木造三階建てのため、準耐火建築物としての規制があり、仕上げ材としては内にも外にも、木が使えないことは前にもお話した。しか...
廊下からリビングに入るワンクッションの意味で、四帖程度のホールを作った。最初はリビングに続く和室の予定だったが、平面図で見るとこの...
リビング、ダイニングの床材として、最後の候補には畳とフローリングが残っていたが、ここだけ材料を変えることにやや抵抗も感じ始めていた...
住宅の設計を始めて間もない頃、コルクタイルに興味をもって、業界最大手の千代田コルクを訪れたことがある。東京駅に程近く、大通りに面し...
同じフローリングでも、欧州からの輸入品の中には、惚れ惚れするものがある。特にイタリアとドイツからのものは、合板に貼られている表面の...
最初の床材の候補は、やはりフローリングだった。このところ、住宅の設計を依頼されて、床は何がご希望ですかと聞いてみると、第一声は決ま...
ヨーロッパ諸国を旅して帰国すると、しばらく首が痛むことがある。きっと、狭い機内での寝違いかと思っていたが、最近になってその原因が分...
ところでこのシッタという材料、思わぬ欠点が見つかった。暮らし始めて数ヶ月、最初の犠牲者は長男のケイスケだった。ワンパク盛りの6歳、...
そんな訳で、この娯楽室の設計には力が入った。頼まれもしないのに、暖炉型のガスストーブもつけておいた。そして、この暖炉に似合う内装と...
「塗装でも左官でも何でもいいけれど、触ったらポロポロ落ちるようなものや、汚れやすいものはイヤよ」 おっしゃることは、ごもっとも。で...
次に、出隅のオンパレードとなる廊下や階段、居間やダイニングといった家族共用のパブリックスペースの壁は何が良いのだろうか。実験でいろ...
ところで、クロス貼りを多用した場合、心配なのはシックハウス対策にどう影響するかだ。一時期、新築の家では、吐き気や目まいなどが起こり...