いよいよ引っ越しが始まった
数々の紆余曲折を重ねながらも、我が家の竣工がほぼ見え始めた三月の終わりの頃、長男のケイスケの小学校入学を睨んで、少し早めに引っ越す...
単行本『建築家が自邸を建てた』(その歓喜と反省の物語)です。
数々の紆余曲折を重ねながらも、我が家の竣工がほぼ見え始めた三月の終わりの頃、長男のケイスケの小学校入学を睨んで、少し早めに引っ越す...
玄関ドアを押し開けると、正面に床から天井までの大きな窓がある。もちろん二重ガラスで簡単には侵入できない。ここは真南の方角なので、直...
これまでのホテルづくりの経験から、玄関の床には大理石を敷きたい衝動に駆られた。ちょうど本業の設計の仕事で建材の御影石を探しに行く機...
「東京から東濃へ」のスローガンの下、首都移転を渇望している故郷の同級生達には、この心境はきっと理解されないだろう。 「地元の田園地...
私が生まれ育った藁葺き屋根の家の玄関は、重い木製の引き戸だった。カンヌキが付いていたかもしれない。記憶では、父親が夜ごと、玄関戸に...
自邸の玄関はこの陰気なエリアに位置することとなる。多分、家相を見てもらおうものなら、どの先生も「きわめて凶」とのたまうに違いない。...
敷地が少しばかり大きくても道路と接する部分が少ないと、車庫を道路に面して作れないので、いったん敷地内に乗り入れてから回転できる場所...
「ケイスケ、廊下を走るンじゃない」 これまた何回怒鳴ったことだろう。廊下の西の端にある子供部屋から、キッチンの冷蔵庫めがけて一直線...
素足で歩く習慣のあるわが国では、足の裏の汗を素早く乾燥させられる清潔感と掃除のしやすさからも、階段の材料としては、木の右に出るもの...
階段の材質は何がよいかと問われれば、昔から厚い無垢の板と相場が決まっている。ある程度の強度があって、足触りが良いとなれば、木造住宅...
かなり冒険的発想だったが、生活空間の全てを三階に置くことに決めたので、一階の玄関と三階の居住スペースを結ぶ階段は、毎日の生活の中で...
そういえば、以前から私のどの仕事でも、「階段が緩くてイイですね」と褒めていただくことが多かった。本人としては、もっと別の部分を評価...
大学の卒業設計の提出期限が間近い頃、私は「建築資料集成」という分厚い本と格闘を続けていた。建物を設計する上での基本となる名称や形、...
商売道具の健さん宅は例外として、通常、畳2帖分ほどの小部屋にハンガーパイプを何本も吊りこんで、帽子やバッグまで格納する方法は、雑多...
ウォークインクローゼット、いつからこの言葉が市民権を得たのだろう。要は衣裳部屋の小規模なものなのだが、少々洒落た言葉の響きからか、...
主に布団を収納するのだから、中段や底板をスノコにする方法もある。風通しをよくするための知恵のようだ。比較的湿気の多い一階の押入れに...
岐阜県可児市(当時は可児郡可児町)の実家が藁葺き屋根だった頃、蚊帳の中で蛍と一緒に眠った。燻製のような独特の匂いが漂う蚊帳の中は、...
特大のダイニングテーブルに椅子はカッシーナ社のブレイク。立派な食事の場が誕生した。実はこの椅子、その昔バブル経済の頃に、渋谷公園通...
ところで冷静に考えれば、私は建築家として特別成功した訳でもない。なのに、私達夫婦は、こんな空間で毎日寝起きができる、そんな贅沢が本...
住宅などの小さな建物では、天井高が3メートルを超えてくると、空気感とも形容できる、ある意味の迫力と感動を覚えることがある。非日常の...