三階に住む大胆かつ無謀な設計
我が自邸の上下の関係を少し説明したい。まず玄関を入って靴を脱ぎ、階段を14段上って二階に至る。ここには私の事務所へ入るドアがあるだ...
単行本『建築家が自邸を建てた』(その歓喜と反省の物語)です。
我が自邸の上下の関係を少し説明したい。まず玄関を入って靴を脱ぎ、階段を14段上って二階に至る。ここには私の事務所へ入るドアがあるだ...
時折、埼玉県岩槻市の戸澤さんの工場に出向き、更に木への造詣を深めるにつれて、私の関心は建築から家具や建具にも広がっていった。製作家...
批判ばかりでも前に進めない。納得の価格で、家具レベルの建具を造れないか。江東区は木場の材木商社の紹介で、複数の建具工場の作業場を見...
「本来はこうあるべき」という職人の声を掻き消してしまっているのだろうか。建具に限らず、概して日本の物作りの現状が似た状況にある。そ...
建具は「動く」という意味でも、建築の重要な部分。戸澤さんは建具についても豊富な知識を持っていた。自分の設計で、内装や建具を全てここ...
住宅の設計を始めた頃、最初に協力を得たのが家具職人の戸澤さんだった。この人、只者ではない。専門誌にも取り上げられる優れた技術者であ...
最近の自然回帰への傾向も手伝って、木製サッシが採用されている作品が時々見受けられる。当然のこと、私もカタログを取り寄せて検討したが...
具体的なサッシメーカーとしては、アルミの肉厚が他社より少し厚いと聞いて、YKKを指定した。その真相は不明だが、多少センスも良さそう...
屋根工事が終わると、大工達は、外壁を囲む構造用合板の取り付けに入った。SE構法では、在来工法のように、筋違い(壁の中の斜めの支え棒...
ところで、トイレと言えばふと思い出す秘話がある。 私は学生の頃、ある旅行会社を通して、留学を兼ねた欧州旅行をしたことがある。もう三...
「わぁ、このトイレ広い」 と家族の誰もが驚いた。たとえば寝室が8帖から7.5帖になろうと、6帖の子供室が5.5帖になろうと、あまり...
我が家は、爺ちゃん婆ちゃんも含めて家族6人なので、トイレは2ヶ所必要だと直感していた。古家の場合は、一階が10坪ほどで、真中に急な...
「これでもか」と改良が続く日本で、お風呂について言えば、追い炊き機能が常識になってきている。浴槽に穴を開け、給湯器とパイプで結んで...
床は実験的にコルクタイルとした。このいきさつは以前、床の項で書いたが、これは確かに大正解だった。滑らず冷たくないので、家族にもすこ...
在来工法、つまり現場作りの浴室だから、内装としてはタイルが最も無難に思えた。もちろん、左官やヒノキ板など、その他のおもしろい素材も...
浴槽を固定するためと、タイル貼りの下地を作ること、さらに洗い場の床を仕上げるために、今後相当量のモルタルを使う。そもそもタイル職人...
さて、この後はモルタルで下地を作って、タイルを貼る工程となる。この現場ではタイル職人の藤成さんが腰を痛めたらしい。理由(わけ)を聞...
そんな理由から、悩んだ結果、私はユニットバスを諦めて、一品生産品、つまり在来工法による浴室作りに再度挑戦することにした。まず最初の...
自邸では、三階に浴室を置くことになるので、もちろん最初はユニットバスが本命だった。現場で防水をして壁にタイルを貼る在来工法の浴室も...
天窓の思わぬ効果はこんなところにもあった。ある夕食の出来事。久々に爺ちゃんが三階まで上がっての夕食だった。メニューは焼肉である。大...