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紀州材の香りが心地よい

s_kisyuzai

和歌山県田辺市での家づくり。ほぼ設計が終了したので、次は工事の打ち合わせ。あいにくの雨の中、南紀白浜空港に飛んだ。

和歌山県は地図帳を眺めると、ほとんどが山地。その昔から「木の国」と呼ばれ、木材の集積地である新宮の地名は社会科の必須だった。現在もヒノキなどの蓄材量は全国一。ここ田辺市も紀州材の宝庫と聞いて心が躍った。

しかし、「木の国」なのに街中に材木商が見つからない。聞けば、ほとんどが丸太のまま近畿や関東に運ばれ、地元で使用される材木は極めて少ないとのこと。魚に例えれば、ここは漁場。魚が集まる築地市場ではないのだ。納得した。

そこで、今回の住宅も、この紀州丸太を製材することから始めることにした。材はヒノキとスギ。乾燥材も山と積まれている。久々の「地産地消」で嬉しくなって丸太の前で記念撮影。

その昔、かの尊大な建築家 白井晟一氏が、木曽の山奥に出かけて、山と積まれた木材の前で同じような写真を残している。小生、還暦を前に、少しは近づいたか。

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