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可能性を秘めた鉄骨造

専門用語で我々がS造と呼ぶ鉄骨造は、ビルや工場のような大きな建造物に採用される構造で、柱の少ない広い室内空間が確保できるのが特徴。鉄骨のしなりを利用して地震の衝撃を吸収できることから、超高層ビルの構造はすべてこれになっている。

住宅としての普及率はまだ低いようだが、柱の数が少なく、余計な壁が不要となることや、ガラスとの併用で開放的で軽い感じの空間が誕生する。これが、今時の若手の建築家にウケていて、最近になって、時々雑誌で見かけるようになった。

やり尽くされた感のある木造に背を向けて、新しい挑戦を試みようとするのは新進気鋭の設計士にとっては自然の成り行きだろう。この私もあと二十歳若かったら、き
っとその中のひとりになっていたに違いない。

「住み心地はどうか?」
若い設計士にそれを求めてはいけない。

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