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近い将来、地盤調査は義務化されるだろう

遣り方が済んで基礎工事に入る前に地盤調査を行なった。鉄筋コンクリート造のビルともなれば、基礎工事前の地盤調査が法的に義務付けられるが、木造の住宅レベルでは設計監理者の地盤の確認で許されることが多い。私の場合、木造でも三階建てだったので簡易な地盤調査を行うことにした。

スウェーデン式サウンディング方式と呼ばれ、地盤の浅い所であれば概ね地盤の見当がつき、値段も数万円と安い。結果として、地下1メートル位で赤土の関東ローム層となっていることが分かった。まあまあ良好な地盤だ。

関東ローム層とは、関東平野に広く分布する火山灰の堆積物で、富士山の周辺が最も厚いことから、富士山の噴火によって出来たと言われているが、それも含めて風で運ばれたホコリが何万年もの間に堆積した土地だ。保水性もよく、密度も高いので、二階建て住宅程度の地盤としては、問題が無いとされている。

地盤調査と遣り方が済んで、工事用の小さな電柱と簡易トイレも設置された。さあ、いよいよ基礎工事が始まる。自分の家を造る事がこんなにワクワクと胸が躍るものかと今さらながら実感する。期待と不安が同居するとはこのことか。これまで私が設計を担当した住宅の施主は、皆さんこんな気持ちでいたのだろうか。初めて施主の気持ちが分かってきた。その意味では、自邸の建築を経験できたことで、かけがえのない糧になった。私は確かに運がいい。

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