TEAM QUEST

チーム・クウェスト

企画・設計・監理
スタッフ

最初は工務店に発注

クウェストの本業は、建築設計事務所です。
約30年前、最初に設計した注文住宅の工事は、もちろん工務店に発注しました。その当時、設計を依頼される住宅は、木造や鉄筋コンクリート造など、広さや工法も様々でした。エリアも限定していなかったので、複数の工務店や工事会社と付き合うことになりました。
初めのうちは順調だったのですが、そのうち引き渡した施主から「建具が重い。」「棚板を取り付けたい。」
など細かい仕事やメンテナンスの依頼が届くようになりました。
住宅は環境の整った工場内で作る完成品ではないので、引き渡し後に多少の不具合が起こるのは当然の成り行きです。
すぐに対処すれば、なんでもないのですが、何度連絡してもなかなか職人が出向いてくれないことが重なりました。

企画・設計・監理
チーム

小さな修理依頼がクレームに変身

クウェストから定期的に仕事を受注している工務店は、次の仕事も期待して比較的面倒見がよいのですが、しばらくご無沙汰の工務店では、日当にもならないメンテなどの仕事となると、どうしても後回しになりがち。困り果てて、直接職人さんにお願いしても「うちの社長の指示がないと動けない。」と開き直られる始末。社長に何度か依頼しても「そのうち行かせます。」の一点張りで、時間だけがどんどん過ぎていくのです。当然こんな工務店には新しい仕事の依頼もできないので、ますます疎遠となります。やがて施主からは「クウェストを信頼して家を建てたのに。」とクレームに近いお言葉が。

ついに決断の時

他にも不満が溜まっていました。細かい納まり(材料の組み合わせ)を研究して図面に書き込んでも、施工会社が違うと職人も違い、結果は仕事の質がバラバラになります。ましてや現場で細かく指示を出すものなら、すぐに追加請求が届く始末。密度の高い設計をすればするほど、工事金額は高くなっていくのです。
「このままではダメだ。」設計事務所の数倍の諸経費を取るくせに、施主の立場になれない工事会社の宿命を肌で感じて、私たちは遂に決断したのでした。「自分達の物づくりの熱い思いが伝わる職人集団を作ろう。」と。

いい職人を集める

職人を集めるのであれば、腕のいい職人がいい。さらに人柄がよく信頼ができる人物がいたらさらによい。そう考えて、まずは大手のゼネコンの所長たちに、評判のよい下請け職人を紹介してもらうことにしたのです。ここで以前に大手の設計事務所に所属していた経験が生きました。大勢の職長の目から見て「こいつに任せれば。」と一目置かれる人物は、間違いなく掘り出し物でした。 次に、大手資材メーカーや代理店の営業担当者などから、評判のよい専門職やこの道一筋の小さな工事会社を紹介してもらいました。その誰もが安心して任せられる人たちでした。確かに自信がなければ人には紹介できないものです。その後は徐々にですが、よい職人はよい職人仲間を連れてきました。

クレームが感謝の言葉に

自ら職人集団と資材の仕入れ先を組織すると、工務店を介しないメリットが次々と現れました。施主や建てる場所は違っても、いつも同じ職人を指名し、直接報酬を支払っていますので、緊急のメンテナンス工事が発生しても、翌日か翌々日には対処ができてしまいます。「クウェストの仕事が一番」と考えている職人たちですから当然なのですが、お引き渡し後に何か不具合が見つかっても、クレームにならなくて済みますし、むしろ感謝の言葉をいただくことが多いのです。「すぐに来てくれてありがとう。」と。

クウェストの強み

一般の工務店の経営を支える高額な諸経費を必要としなくなった分、材料費にコストを回せる余裕が生まれたのは大きな収穫でした。職人の技術も重要ですが、後に残るのは材料です。安い材料は、概ね竣工した直後から劣化が始まると言って過言ではありません。クウェストでは、派手な空間構成より、むしろこの材料の選択にこだわっています。10年、20年後の姿を思い浮かべながら。建物で重要な部分と考えられる開口部の部材などは、いつも同じ工場で作っているので、多少細部に凝ってみても工事費は変わりません。他の工務店だったら、きっと特注品扱いとなり、とんでもない金額を請求されることでしょう。このあたりも、他社に負けないクウェストの強みとなっています。

現場主義を貫く

設計事務所であっても、限りなく現場主義を貫いています。図面では読み切れない部分が工事の途中で見つかるからです。より良くなるのなら進んで現場で変更を出します。最近では、慣れた職人たちは、設計スタッフが現場監理に出向くたびに、事前に策を打っています。「多分そうなるだろうと、予備の配線をしておきました。」とか、「図面にはなかったのですが、前回も注意を受けたのでこう処理しておきました。」と言われることが多いのです。
以前の仕事の経験から、職人たちも常に進化しています。いつも同じ職人が施工するので、仕事の質は安定していますし、職人同士も永年の間に仲間意識が強くなっていて、譲り合いの精神も育っています。そのため現場でのトラブルはほとんど聞かれません。

職人集団が社員ではないメリット

専属の職人であってもクウェストの仕事だけをしているわけではありません。仕事が切れた時は別の設計事務所の仕事や大手ハウスメーカーの仕事もこなしている職人も多いのです。
したがって、「他社ではこんな材料を使用していますよ。」などなど、新しい情報も豊富に得られるメリットがあります。
また、一人ひとりがそれなりに選ばれた職人としてのプライドがあることと、手を抜けば別の職人に仕事を任されてしまうという適度な緊張感があるため、一般の工務店お抱えの「ぬるま湯につかった職人さんたち」とは顔つきが違って見えるのは気のせいでしょうか。

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